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冬の間に雪と共に積もった粉塵やら細々としたゴミが、ここ数日の陽気に慌ててとけ始めた雪を覆っている。
洗車したての愛車の運転席に座る。
ヒーターをつけなければまだ足元が冷たい。
どうせ目的地に着くまでには温まらない事を分かっていながらも、ヒーターのスイッチに左手をのばした。
春は綺麗だ?麗らかだ?
こんなにも薄汚れた春を知らない誰かがそんな事を言ったりする。
ケンウッドの音量を20でマキシマムザホルモンのベースラインを聴きながら、あたしは何時もの国道を飛ばす。
これから始まる歪みの世界へと侵されながら。
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