自堕落

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社会人の多くは始業時間を迎えあくせくと働き出したのか、とか漠然と想像しながら、伸びた髪をかき上げその女は下着姿のままベッドから下りた。 複数の脱ぎ捨てられた洋服が散乱しているフローリング。 すぐ足下には未開封のダイレクトメールが2通。 前日放り投げたままだ。 当然目には留まるがちっとも気にならないのでそれらを跨ぎ、ふらつきながらキッチンへと歩く。   ダイエットコークをグラスに注ぐ。 気が抜けている為、勢い良く注いでもシュワシュワと音がするだけでさっぱり泡立たない。 気の抜けた炭酸飲料は飲めたものではない。 そんな不味い飲み物を小さな薄いオレンジ色の安定剤数錠と一緒に乾いた喉に流し込んだ。   窓のロールカーテンは当然全て下りたまま。 居間もキッチンもベッドルームも、朝だというのに薄暗い。 気だるい… 一枚のカーテンすら開けず、更には洋服を着ることさえもせず、フラフラと歩くまるで精気の感じられないその女はソファに腰掛けタバコに火をつけた。 心持ち顔を上向きにし、唇をすぼめて煙を細く吐き出す。 職を失ってもう何ヶ月経ったのだろう。 思い出すのも面倒。 それに無意味だ。 社会復帰などする気力もない。 女は生きる意味を見い出せずに、惰性で毎日を過ごしている。 あわよくば、 餓死でもすればいいのに、、、 等と心の底でほくそ笑みつつ、今日で絶食1週間を迎えている事に、歪んだ喜びを感じていた。
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