いう♪

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言うの部・2 ミナはキョースケに対して、少しばかり怒りを覚えていた。 話しもせずに逝ってしまうなんて、卑怯だ。 私が起きてる時に訃報を報せるなんて、酷い。 それはキョースケにではなく、ほとんど神に対しての不平不満であった ミナはキョースケが好きだった。 背はあまり高くなく、ルックスもまあどちらかといえばカッコいい程度の、しかも喋り方はかなりおかしな男に、何故だかミナは惹きつけられていた。 だから、よけいに悲しいし、悔しい。 結果はどうであれ、思いを伝えられなかったのが、ミナはかなり苦しかった。 だから、ミナは生まれて初めて、『睡眠堕波』に体を預けた。まさに不貞寝だ。 注)体験談は、本人にしか語る事ができない。 ミナは瞑想にふけった …ここは、どこ? 周りは、■真っ暗■ 何も無い。いや、暗闇がある、と言った方が良いのだろうか。 …でも、不思議と落ち着く。感覚的に言えば、羊水の中と同じ、妙な浮遊感がある感じ。 ここならば私は、傷を癒すことができるかもしれない。過去を忘れ去ることができるかもしれない。 今日、私の大切な人が…死んだ。突然の報せだった。しかもそれは、不特定多数の人に向けて発信された情報。 そのことが、私を更に悲しませた。 私は、彼にとって特別ではない。そんなことわかりきってた。もしかしたら、避けられてたかもしれない。嫌われてたかもしれない。 でも、私は彼が好きだった。その思いは、彼がいなくなったからといって、すぐに綺麗さっぱり消え去ってしまうような、簡易なものではない。 真っ白なジグソーパズルのように、複雑で、難解な気持ち。 何故ならば、私にも、その気持ちの核心が見えていないから。わからないから。 本人にも理解できない気持ち。 そんなのおかしいかもしれない。 でも…実際にあるんだから、しょうがない。経験論。 明日になったら、何か変わるかな。 そんな無駄な希望を抱きたくなる程の絶望感が、私を蝕んでいく。 突如、暗闇が赤くなる。真紅(深紅)の薔薇のような、赤。赤。赤。 飲み込まれていく私。 これは…血!? SOS。助けて。誰か。私が完全に飲み込まれる前に。誰か。助けて。誰か。 差し伸ばされた手。それに掴まる。 誰?ああ… 夢だとわかっていても、覚めて欲しくなかった。 キョースケ… そこには、死んだはずの彼がいた。
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