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YOUの部・2
???の独白
上手くいった、はずだ。
さて、あいつらは真相に近付けるのか。
手掛かりはばらまいておいた。あとは、あいつら次第だ
「あなたは、脅迫を受けていましたね?穐山薫さん」
唐突に、マリオが尋ねた。
彼らは穐山家を訪れていた。前日と同じソファに女子が二人座っていて、マリオは立っていた。
「やはり…ばれてしまいましたか」
何故だか薫の表情には、どこか喜々とした所があった。
「ええ。矛盾がありましたので。ところで、何故俺達にも隠していたんですか?」
「脅迫の時に、『あの大学の探偵三人に依頼しろ。その際、この電話のことは言うな』と言われたんです」
「…!」
ミナが反応する
「どうした?」
「何でもない。他に何か言われなかった?」
「確か…こんな変な事を口走ってました。『今日病治す、祝ひ』」
「きょうやまいなおす、いわひ、ですか?」
「恐らく」
「そんな…!」
「ミナ?」
「私達が…バカだった…。彼の生死を、ラジオだけでしか確認しなかった私達が…」
「どういう事?」
「…そこにいる?犯人は、あなた(YOU)ね」
シーン…と静まり返る室内。
すると突然ドアが開き、男が入室してきた
「ミナはやっぱり頭の回転が早いにゃ」
それは紛れもなく彼らの仲間、『キョースケ』こと、猫探偵、檜山響介であった
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