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戒を解放すると、俺はベッドから起きてシャワーに向かった。
…今日か。
あれから何年過ぎたんだ。
今日は母さんの命日だ…。
どうして、あの時…。俺は無力だったんだろう。
悔やんでも悔やんでも仕方ないのはわかっているけど、俺は…。
いけね。
ブルーな気持ちはダメだ。
気持ちを入れ替え、シャワーから出る。
黒い服に袖を通す。
いつもはじゃらじゃらしているアクセサリーも外す。
『おまたせ。』
部屋に戻ると戒が目を丸くした。
あっ、やっぱり。
そうだろうよ、今日の俺は兄貴そっくりだから。ってか双子だしな。
小さい頃はよく間違えられた。
何せ、背丈も顔も同じだから。
で、てっとり早くわかりやすくしたのが髪の色。
兄貴は黒のまま。
でも今日は髪も黒に戻したからなぁ。
「…なんで?」
なんでって、兄貴から聞いてないのか。
兄貴を見ると、言うなオーラが漂っている。
…言ったら殺されるかなぁ。
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