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「『おやすみ、戒。』」
俺達は片方ずつのほっぺにキスをした。
愛しさが込み上げてくる。
うわっ、今日はマジで寝れねぇ。
「炎、今度さ戒君と一緒にお墓参りに行こうよ。」
『賛成っっ!』
俺達の戒を存分に母さんに見せて納得してもらおうぜ(笑)
「…花はどうしようか。」
『そりゃ、戒の好きな花でよくねぇ?』
クスクス。
兄貴が笑う。
俺、何か笑える事言ったか??
「カーネーションなくなったね。」
あっ。
母さんの墓参りから一週間ほどなのにな。
必ず、飾る花はカーネーションって決めてたけど…。
「…いい事だよ。僕もね、戒君のさっきの言葉で楽になったよ。」
…そうだな。
「戒君って本当に不思議だね。」
…あぁ、本当に。
俺と兄貴は安心して眠っている戒の髪を撫でる。
…なぁ、戒。
俺は初めて会った時に可愛いとしか印象がなくて、話してみると素直で負けず嫌いで…、そんなお前に惹かれるのが怖くてセーブしようとしてたけど、結局それは無理だった。
…だって、俺達は会った時にはもぅお前以外に何も見えなくなってたんだから…。
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