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次の日。
戒はあの時の会話をすっかり忘れていた。
…イジメか?
ある種の…。
「ねぇ、戒君。僕達の母さんに今度一緒に会いに行ってくれないか?」
落ち込んでいた俺をしり目に兄貴は戒に聞いた。
戒はおずおずと俺達を見て
「行く。」
はっきりと答えた。
その言葉だけで俺達はとても幸福だった。
「花は何が好き?」
「…カーネーション。」
ドクン。
「…おかしいかな。」
…いや、全然。
俺と兄貴は顔を見合せ笑った。
「『俺達も、母さんもカーネーションは好きだよ。』」
そう言うと、俺達が可笑しかったのか戒は笑った。
…なぁ、戒。
お前が昨夜の事を覚えていなくても俺達は覚えてる。
…お前は俺達が絶対に守ってやるよ。
お前に俺達はとても夢中なんだから…。
だから、ずっと一緒にいような。
†終わり†
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