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老紳士はもっと近くに寄れと
手招きする‥
仕方なく老紳士の目線まで
姿勢を落とすと
『どうかね?賭ける気に
なったのかね‥?
そうか!
条件次第って訳だな?
儂は次のゲームで全財産を
賭ける。
君が思う数字にだ!
もし勝ったなら君に財産の
半分‥いや全財産をやろう!
それでどうだ?』
『ご冗談を!
そんな事はできません!』
益々、雲行きが怪しく
なって来た。
あまりにクレイジーな
老紳士の言葉に咄嗟に
立ち上がり、エリオットは
その場から一刻も早く
逃げ出そうとした。
しかし老紳士は制服を
掴む手に一層力を込めて
放そうとはしない。
『お客様、困ります!
手をお放し下さい。』
『いいや!放さん!』
『お願いします!
お放し下さい。』
『‥他の者に
言わなきゃいい。』
ボソリと呟く‥
『そう言った問題では‥』
『儂は諦めんぞ!』
『僕は今日、最高にツキが
無いんです!
貴方は必ず損をする!』
『やってみなければ‥
判らん‥じゃろ?』
老紳士は悪魔の誘惑を
続ける‥
いつまでも引き下がらない。
《ぇえーい!
どうなったって構うもんか!
無理に頼まれたんだ!》
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