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エリオットは、この街の
カジノでウェイターの仕事を
している。
故郷を離れてから
もう5年にもなる。
故郷の両親には要らぬ心配を
掛けぬよう弁護士の仕事を
していると手紙には
書いてある。
店の客は観光客や紳士淑女
ばかりではない。
時折マフィアに通じる者達も
出入りしている。
勿論、そんな輩には極力
お近付きにならないよう
巧く振る舞って来た
つもりだが‥
彼の父は会社を経営している。
彼の父が常々口煩く
言っているのは利益、体裁、
社の信用‥。
《息子がマフィアとの黒い
繋がり》なんてゴシップを
でっち上げられれば、本気で
猟銃を持ち出して来かねない。
だから尚更、仕事の事は
両親には言わずにいる。
これまで彼は父親が
敷いて来たレールの上を
何の躊躇いも無く歩いて来た。
Law School(法学部)では
常にトップクラスを目指し
父の会社の重役席から
行く末はプレジデントの
椅子まで約束されていた。
しかし、彼は優等生であり
続ける事に辟易して
しまったのだ。
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