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「ゴト師」って皆さんご存知ですか?
ゴト師とはパチンコ店で不正に玉やコインを取得する輩をさします。
私は10代からパチンコにはまり、湯水のようにお金を注ぎ込んでいました。
そして、次第に借金がかさみ、当時勤めていた会社もやめてしまいました。
ですが働かないと飯は食えませんので、私はパチンコ店に再就職しました。
二交替制の勤務で給料も割とよかったので、借金は減りませんでしたが、金利は払えるような状態でした。
相変わらずパチンコはしていましたが、パチンコ店で働いてますから知識がついてきて、それほど負けないようにはなってきました。
そして2年程経つと、ホールでもベテランになって(昔は店員の入れ代わりが激しかったように思います)台のメンテや修理(これまた昔は玉づまりなどの故障が多かった)を任されるようになりました。
その頃です、ゴト師に出会ったのは…
最初のアプローチは常連のパチプロでした。こいつは熊みたいな体してるのにスロットは華麗に打ちやがる奴で、後からわかったんですが人相は悪いくせに、やたら気が小さい奴でした。
仮にこの悪顔のパチプロを「熊」とでも呼びましょう。
ある日、営業中に熊が私に声をかけてきました。
「話があるから仕事終わったら時間作ってよ」
私が「何の話?」と尋ねると、
熊「仕事の話だよ、かなり儲かる話だからよかったらやらない?」
って言うんです。怪しい度100%だったんですが、話だけでもってんで了解し、私は仕事に戻りました。
その時はまさかゴトの話とは思ってませんでしたし、熊が実はゴト師グループのメンバーとは知りませんでした。
そして、仕事が終わると私は私服に着替えて、営業中に渡された熊の携帯電話に電話を入れました。
すると熊はホールから少し離れた喫茶店を待ち合わせ場所に指定してきたので私はそこに向かいました。
私は喫茶店に入ると少し遅れて熊が入ってきました。
熊「わざわざごめんね。」
私「ああ、それより仕事って何、話聞かせてよ。」
熊「ちょっと待って、もう一人来るから。」
ってんで、たわいのない話をしながら待っていると喫茶店に小綺麗な格好をした30代くらいのオッサンが入ってきた。
そう、こいつとの出会いが、後々私の人生を大きく変えることになるゴト集団の元締めのボスであった。
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