愛すべき日常

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「………はっ?」 「へ…?だから、組分けです。組分け。」 すっとんきょうな永倉の反応に、花蓮は答えを繰り返す。 「組分けって…そりゃ、組分けってのはわかったけど……なんでそんな大事なこと、お前がやってんのさ?」 「なんでって、土方さん凄く忙しいんですよ!?京の様子だとか会津公からの知らせだとか幕府の動向だとか、もう部屋中資料だらけ!だから、私ができることは任せてもらったんです。」 いや、土方さんが多忙なのはわかるけど…!! 思わず入れたくなった突っ込みを、口の中へ無理矢理押し込む。 永倉が言いたいのは、そういうことではなく…。 「お前、組分けってどんだけ大事なことかわかってます?」 「大丈夫ですよ。基礎は全部土方さんがやってくれてますから。私は隊士を分けるだけなんです。」 ああわかってないんだな、と、とりあえず永倉は理解した。 「……土方さんも、なんで花蓮なんかに任せるかなぁ…。」 ため息混じりに呟いた言葉であったのだが、しっかり花蓮の耳には届いており、二秒後永倉の後頭部を座布団が襲った。 「何すんだこの暴力女!」 「聞き捨てならない台詞を吐いたのはそっちでしょぅが!」 平和な空に、そんな他愛ない痴話喧嘩の声が響く。 「相変わらず仲睦まじいねぇ、お二人さん!」 元気な声で乱入してきたのはがっしりと立派な体格を構えた原田と対象的にひょろっとした藤堂。 「二人とも、いらっしゃい。もう仕事は終わったんですか?」 それまでの口論などすっかり忘れ、花蓮は二人を迎える。 「ん~、仕事後の花蓮ちゃんの声は、疲れた身体に効くねぇ!」 調子のいいことを言う原田を、はいはいと軽く笑い流しながら花蓮は二人にお茶を出した。
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