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「あ、ありがとう花蓮ちゃん!」
縁側に腰を下ろし、花蓮の出したお茶を飲む藤堂。
「お前ら、今日巡察だろう?」
ため息をついて永倉は藤堂・原田を睨む。
「おぅ!今昼の巡察に行って来たところだよ。」
「拗ねんなよ、新八。花蓮ちゃん独り占めしたいからって!」
「ふぇ?」
からかう藤堂の言葉に突然自分が登場したことで、花蓮は思わず拍子抜けな声を出した。
「ばっ…!!そんなこと言ってないだろうがっ!俺はただお前らが任務怠けてないかって心配してだなぁ――!!」
「お~そうかいそうかい、その心配には及びませんよ!僕らしっかり任務こなした後ですから。なぁ平助さん?」
「当たり前じゃないですか、佐之助さん!僕らこんなに真面目に任務に当たってるんですから。」
「だぁ、もぅわかった!わかったから黙れっ!!」
あ~、なんか和む風景だなぁ。
綺麗な空にぽかぽかと日が差し込む縁側、そしてジャレ合う三人。
花蓮はお茶をすすりながらそんな呑気なことを考えていた。
「花蓮!おまえ一人でまったりしてんじゃねぇよ!!」
「むっ!?永倉さん、それは八つ当たりってヤツですよっ!」
「違うよ花蓮ちゃん。新八は照れてて、花蓮ちゃんに今助けて欲しかったんだよっ。」
「照れてる?永倉さんが?…一体何にですか?」
「ん?ああ、それは…。」
「平助!!てめぇちょっと黙りやがれっ!」
ニヤリと言う藤堂を、顔を真っ赤にしながら永倉が黙らせる。
その光景を微笑ましく眺めながら、そっと原田が花蓮に歩み寄った。
「うっさくて悪いね~花蓮ちゃん。何かしてたとこだったんでしょ?」
「いえいえ、大丈夫ですよ。土方さんのお手伝いで組分けをしてたんですけど、もう終わりましたから。」
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