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「……組分け?」
しばらく冷たい空気が流れた後、ひっくり返った声で原田が復唱する。
「はい。いよいよ新体制ですね!」
邪気のない花蓮に三人は顔を見合わせる。
永倉は諦めたように肩を竦めた。
「…芹沢さんたちが亡くなって、いよいよ体制も変わるんだなぁ。」
呟くように藤堂が言った。
「まぁ…芹沢さんは実質問題多かったし、近藤さんが局長ならきっといい隊になるさ。」
ポンと藤堂の肩に手を置いて永倉は苦笑する。
訳知り顔の原田は何も言わずに唇を噛んで視線を外した。
「みなさんお揃いなんですね。」
「総司!」
ひょっこり現れた沖田の姿に、永倉が声をあげた。
「こんにちは。藤堂さんと原田さんは、巡察お疲れさまでした。」
「おぅ!総司は今日は非番か?」
「はい。土方さんのお部屋にお邪魔してたんですけど、忙しいみたいで追い払われちゃいました。」
えへへと笑いながら、沖田は縁側に腰かける。
「今日は千客万来ですねぇ。」
苦笑しながら、花蓮はもう一つお茶を用意する。
「あ、すみません。」
微笑む沖田に苦笑を見せつつ花蓮はお茶を出す。
「組分けは、決まったんですか?」
唐突に尋ねてきた沖田に驚いたのは、花蓮以外の三人。
「総司、聞いてたのか!?」
「何をです?」
沖田が永倉の言葉に首をかしげる。
どうやら三人の話を聞いていたから尋ねたというわけではないようだ。
…となれば、花蓮に思いつく節は一つ。
「土方さん、気付いたんですか?」
花蓮は悪戯がバレてしまった子供のように笑いながら沖田に尋ねた。
「はい。最初は焦ってましたけど、今は任せるって言ってましたよ。」
「…ありがとうございます。沖田さんが、説得してくださったんでしょう?」
「あれ、なんでわかったんですか?」
「…じゃなきゃあの土方さんが任せてなんてくれませんもん。」
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