愛すべき日常

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「組織も新しく組分けするって、以前土方さんおっしゃってたじゃないですか。大体は決まっているのでしょう?」 「まぁな。各組の頭はとっくに決まってた。あとは隊士の割り振りだったから、それぞれの実力を考慮して…。」 沖田に見せたい資料でもあるかのようにカサカサと周りの書類を探るも、目的のものが見付からずに土方は言葉を止めた。 不自然に打ち切られた会話に、沖田もきょとんと土方を見つめる。 「……あのバカもしかして…。」 土方の頭を横切る嫌な考え。 沖田はなんとなくそれを察してポンと手を打った。 「あぁ、花蓮さんですか。」 「あのヤロウ、隊士の名簿から組分けの構図まで全部持って行きやがった!!」 「ヤロウゎ失礼ですよ、土方さん。花蓮さんは立派な女の子なんですから。」 まだ局長の近藤にすら伝えていない組分けの構図。 各組の頭とその組の人数だけを書いたもので、今日の夜に隊士を振り分けようと思っていたものだった。 花蓮が自分の仕事を手伝ってくれるのは珍しいことではないし、今までも任せた仕事はきちんとこなしてきた。 そういった信頼から、土方は一切花蓮を疑うことなく、花蓮が言うのならそうなのだろうと勝手に納得して書類を渡してしまった。 “こっちは土方さんでなくても充分対応できますから、私に任せてください。” 確かに俺じゃなくても対応できるけどよぉ……。 土方はため息をついた。 組分けなんて大事なこと、まさか花蓮に一存なんてわけにはいかないだろうと頭を抱える。 「ため息つくことじゃないですよ。私は、花蓮さんの優しさだと思いますけど?」 「はぁ?」 楽天的な沖田に、土方は思わず間の抜けた声を出した。
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