【ACT.2】深夜のファミレス

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見れば、青年の手にはどこにでも売ってそうな100円ライターが握られていた。 「……あ、ああ。 ありがとう」 千秋はつい、いつもの調子でタバコを口にくわえ、火を点けられるのを待った。 「………えっと…」 目の前の青年はどうしたらよいか解らないのか、手を止めている。 (おっと…、しまった) いつもの調子―――芸能界の打ち上げなどの付き合いで行くクラブやバーでは女性店員に火を点けられるパターンが多い… そのいつもの癖で、目の前の青年にも同じことを求めていたことに気付いた。 「ああ、ごめんね。 つい……癖でね。 ライター貸してくれる? 自分で点けるよ」 そう言ってライターを貰おうと手を延ばした。
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