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千秋は目の前の青年を見て、心の中に溢れ出る興奮を覚えた!
「ねえ……君、名前は?」
「……え?吉崎駿一です」
「歳は?
住んでる場所は?
この時間で働く者にしては意外と若いな……
……もしかして君、学生?」
「……えっ…あの…」
矢継ぎ早に質問を繰り出す千秋に駿一は戸惑う。
何か危ない人だと勘違いされたのか、駿一は千秋から逃げようとするタイミングを計っているかのように見えた。
「おーーい、吉崎!
どこで油売ってやがんだ!!!」
カウンターの奥の厨房から、男の怒鳴り声が響き渡った!
「あ、やばい……店長だ。
あ…じゃ僕はこれにて失礼します」
その声を天の助けと言わんばかりに、駿一はそそくさと厨房に戻っていってしまった。
そしてそれ以降、厨房から出てくることはなかった。
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