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「それはもう【決まり】でしょう」
決め兼ねている自分に、彼は何の躊躇もなく言い放った。
「なぜそう言い切れる?
僕は相手の名前しか知らないというのに……」
「では逆に聞くが、
その【名前しか知らない平凡な奴】に、
ウチきっての天才スカウターである【木村千秋】が、
タバコを吸うことすら忘れる程にのめり込んでいた………と?」
「………!!!」
ハッ、と自分の事務机に置いてある灰皿に目を向ける……
あれ程モヤモヤと、イライラを解消するために吸っていたタバコを1本も吸っていないという事実に、今更ながら気付かされた。
「完全に依存症――彼を知ったらもっと手放せなくなるんじゃないのか?」
その言葉に、千秋の迷いは完全に吹っ切れた。
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