【ACT.1】アイドルを探せ!

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「ダメだ、今回もパッとするコはいない……!」 事務机に大量に積み重ねられた履歴書、 灰皿には、タバコの吸い殻がこんもり山を作っている。 男は右手に持っていた専用のマグカップに注いだブラックコーヒーを飲み干すと、自身が座っていた事務椅子からガタッと立ち上がり、机の上に散乱している『用済み』の履歴書の山をゴミ箱へとぶちまけた。 「いつになく荒れてますね…、あなたらしくない。いつものようにパパッと決断されてはいかがです?」 男の隣の席の者が声を掛けた。 「……いや、今回だけはそうもいかないよ。 我が社【ATC(アイドル養成コンサルティング)】の命運が掛かったこの一大プロジェクトの主役を探すんだからね……!」  
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