午後8時 第2東京方面

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「はうあ……」 その輝くような笑顔に思わずたじろぐ――嗚呼、もう婚約の意味とか説明しようと思ったけど……どーでもよくなってしまったのだ……ウヘ、ウヘヘ 「……お嬢様、お迎えに参りました」 と、黒服サングラスにスキンヘッドのSP(奇妙な鉢巻きはつけていない、気のせいだったのだろうか)がこちらへ来て報告した 「あ……う、うむ」 ま、不味い……今かなり変なニヤけ顔をしていたぞ今の私……――しかし彼は 「凄い強いですね! どうやったら黒服さん達みたいになれますか?!」 「OH。カミカゼボーイ、トニカクタベテネテキタエル。コレニカギルYO! HAHAHA!」 「HAHAHA!」 離れたところでSPの一人と談話していた。あー、見られなくてよかったのだ……でもマッチョにはなってほしくない…… 「あ、じゃあ私は帰るのだ!」 そのままマッチョになりたがる彼から逃げるようにして車まで駆ける 「あ、待てよ森羅!」 走り出した私に気付いた彼が追いかけて来る。ある意味嬉しい状況だが 「な、なんなのだぁ!」 「また何かあっても助けてやるから……また明日、学校でな!」 「……ああ!」 それはとても暖かい、信頼できる言葉だった 「わかったのだー!」 遠ざかる彼に、私は手を振りながら答えた あ、あの外人SPは置いて行った。今は反省している
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