午後3時 沖縄方面

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頭がボーっとする 《   低下、 ワ ジェ レ タ破 》 無機質な声が薄れていく意識に語る、モニターには内側から爆散していく機械の固まりらしき物が映っていた 『    ! お前 けで っ』 回らない頭に野太い声が届いた直後、爆音と同時に声が途切れノイズが流れる 右手に握っているプラスチックのレバーが汗ばんでいるのがわかる、左手の感覚はすでにない 視線を上げると、機械の固まり――全体的に青い配色に所々の先端が鋭く、禍々しい刀を彷彿させる人型――それが腕を振り上げてこちらに駆け出して来た 「……あぁあぁあぁあ!」 気付けば奇声をあげながらレバーを目一杯前に倒している自分――もうどういう理由で原理で理屈で必然で偶然でこうなっているかなんてわからなくなってしまった ただ沸き上がる感情が「あれを壊せ」と絶叫している そして 「――……ぁ」 自分の胴体がひび割れたモニターから突き出た巨大な銀色の爪に――真っ二つされていた 痛くない
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