午後3時30分 沖縄方面

4/19

55人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
そうだ。それのせいで…… 突然、がこんっ! とコクピットが激しく揺れた。ぽけ~と開けていた口が仇となり 「っ?!……」 舌を噛んだ――これは痛い、痛すぎる。僕は生涯、舌を噛んで自決することだけは絶対しないと決めた。今 『何やってる』 「舌噛んでる……」 『そうか……目標を視認したぞ、確認しろ』 スルーされた。いや口を間抜けのように開けていた自分に非があるのだが (……剛冷たい) 年上の同僚に心の中で文句をたれつつ。口元を抑えながらモニターを見る――木々の合間を抜けるように輸送トラックと、ずんぐりした護衛のAMWが三機が駆け足で並走しているのが映る 『もう少ししたら動くぞ。俺が足を止める、乗員の始末は任せる』 「了解……てあれ殺傷許可出てるよね? 勧告はいるかな?」 そんなこと言いながらも職務真っ当の為、機体の火器選択項目から腕部内蔵の電子兵装破壊用のスタンガン(今時の車両は電気で動くのである。地球を大切に)と対人機銃を選択する 『トラックへの勧告はしなくていい。非武装らしいから、その気があれば近づいた時点で降伏するだろう……しなかった場合は、お前に任せる』 剛が返事した直後、今の話を聞いたかのように敵機の頭部がこちらを向いた (気付かれた……?) 『ちっ、耳が良いのがいるらしいな……お前は側面からトラックの方へ向かえ』 「剛はどうするの?」 『ふん……無論――』
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加