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ぞっとするほどの殺気、そして本能と今までの経験がただ一言警告する
こいつはヤバい
頭がそれを反芻する数秒間――コンテナの壁に向けた右腕部が突如出てきた何かに掴まれ、引っ張っられた
「うおっ!」
ググッと右に傾くコクピットの中、手元のスイッチを押し込み右腕をパージ。空気の抜けるような音を出し拘束から逃れた機体を後ろに跳躍させる
直後コンテナから大型の高振動ナイフが飛び出し間一髪、空をきる
「……あぶねっ」
背の低い木を数本薙ぎ倒しながら着地――そしてコンテナ内でのエンジン音を何故かレーダーが感知できなかった理由を探る。何故だ何故だ~ と呟きながらセンサー系をチェック、すると
「……うわぁ」
理由が解った。先ほど剛に叩かれたせいでレーダーが見事に故障した為だった。うん。クダラナーイ
「……隊長に言いつけてやる」
コクピット内にコンテナがひしゃげる音と照準チェックによる警告音が響く
そして佇むTk-9の数十メートル前。コンテナを内側から無理矢理こじ開け、最悪のケースと言える形でそれは姿を現した
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