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「っ!」
その一撃を振り掛けていたナイフを反らすことで受け止め直撃を避ける
一時的に椀部と疑似直結されたトリガーがグイグイ自分の方に押される
「っあああぁぁぁ!」
鍔競り合いしていたナイフを奇跡的に押し出し、突き上げた状態でがら空きの腹部にナイフを突き立てる為の予備動作――腰だめに獲物を構える
だが敵機の胴体に向けてナイフを突き出す前に、どうすればあの姿勢で行えるのか――膝蹴りがTk-9の胸部装甲を襲った
「がふっ…!」
コクピットを強烈な振動が襲い――頭をコンソールに打ち付け、身体が前に飛び出しそうになるのをシートベルトが押さえ付ける。飛びそうになる意識を無理矢理引き戻しモニターを見る
「!!」
目の前に巨大な凶器を振り上げた敵機がいた
「……おおぁぁぁ!」
吐き気を捩じ込みトリガーを前へ突き出す――紙一重で装甲すれすれに構えたナイフがぶつかる
ガガガガガガッ
高振動する刃がぶつかり合う不快な雑音が静かだった森林一帯に響き渡る
さっきの衝撃で隙間ができたのか、高速振動によって焼けた鉄の匂いがコクピットに侵入してくる
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