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「ぐぁ……鉄臭えぇ」
数秒間、未だにクラクラする頭。更に吐き気が鉄臭さによって拍車が掛かり酷くなる。そして鉄板数cm向こうで2本のナイフが押し合う
《高振動ナイフ 過使用による異常発生》
敗北が――死が迫っているとAIが告げている
鉄のぶつかる音に混じってメキメキッと普通は聞こえるはずがない異音が聞こえる。幅60cmの特殊加工されたチタン合金が折れる音――
「っ……くぅ!」
このままではナイフごと胴体を切断されてしまう――だが
「下がれないっ……」
ナイフを下げ反撃を行うにしても、また速度負けしてがら空きの胴体に一撃を貰うのは必須――しかしこのままでも真二つにされる――そもそも動かす余裕がない
「いや……まだ! 左武装トラックを設定Aパターン射出角度修正!」
《了解 要求された設定パターンを参照 照準との連動完了》
ノイズが入るモニターに十字型の照準カーソルが出現、それは目の前の驚異を操る者がいる場所に重なり――引き金を引く
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