午後3時30分 沖縄方面

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ナイフがコクピットに振り降ろされる。高振動する刃が人体を切断する――ことは無かった 何故なら横から割り込むようにして黒いシルエットが、今さっき凶器を振り下ろそうとしたキルクルスをぶっ飛ばしたからだ ただその際に 「ふぉ! 目がっ! 目がぁあぁあ」 大質量の鉄同士が激突した音と同時に土煙が、見事に吹き抜け状態のコクピットに侵入、目に大打撃を与えた ついでになんとか生きていたらしいスピーカーからフフフ~ と聞き慣れた声が 「……?」 目を両手でゴシゴシ擦り、痛みでうっすら涙が溜まっている目を見開く そこには赤く光るナイフ……否、刀を構えるTk-9と、ナイフを持っていた腕を肩のつけ根から切断されたJK-9が対峙していた 『こらこら、二十歳前に死のうなんて度胸があるわね比野少年』 変人にして変態にして近接戦闘最強の女性自衛官――宇佐美さんの声だった 「って向こうは?」 『いやまだ途中なんだけどね~。誰かさんの情けない電波を感じて駆け付けた訳よ』 やっぱ人間じゃないわこの人 『さあさあ、人のおもちゃ2号……もとい同僚の敵として、機体ごと貴方を焼き切ってあ・げ・る♪』 外部スピーカーで密かに怒気のこもった死刑宣告を相手に告げつつ、黒い日本刀――ヒートエッジを突き付けた
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