午後3時30分 沖縄方面

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ヒートエッジ――それは背中に接続された2機の核融合電池、右側から伸びる通称「コンセント」から送電される膨大な出力のエネルギーを刃に送り、超高温で敵機の装甲を叩き斬る。半ばレーザーカッターに近い代物だ。 とにかくほぼなんでも瞬時に切断出来るが、その高温に刃そのものが耐えられないので短時間しか使用できず刃の部分は完全な使い捨て、刃を切り離した柄を鞘に戻すことで「装填」されるのだが……その特殊な使い勝手のせいか部隊内ではかなり不評で隊員達の使用頻度は極端に低い ただ宇佐美さん曰く、自分の好きなアニメの武器に似ていたから使うらしい ――その話はおいといて 速攻でナイフを焼き落とされ、近距離は不利だと見えるキルクルスは後ろに跳躍し、更に後ろにいたもう一機がどこから盗んだのか腰に取り付けられていた小型グレネードランチャーを構えた 「っ! ……宇佐美さん! あれがもし直撃すれば、いかにAMWのチタン合金とセラミックの複合装甲がいくら強靭でも無事ではすまない 『大丈夫大丈夫』 発射される前に土煙を上げて高く跳躍、その最中に左手で鞘から黒い刃の部分のみを二本取り出し、投げた 一本目は構えられたグレネードに突き刺さる――安全装置によって誘爆はしなかった 二本目は、構えの姿勢で硬直したキルクルスの脚部――人間で言う足の甲を貫通、釘付けにした 『逃・さ・な・い・か・ら』 瞬間、後ろにいる自分がゾッとするほどの殺気と共に宇佐美さんのTk-9が再度跳ねた
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