午前10時 第2東京方面

5/9

55人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
「……ハッ」 一人ブツブツと考えていた僕の気配に気付いたスナイパー・心視がくるりと顔を向けた。若干冷や汗をかいたそれは文句の一つでも漏らすかと思ったが 「……」 そのまま顔をうつ向かせてしまった。気のせいか顔が少し赤い――羞恥心? (うーん。と) 人形がほしいのか? そう言う年頃なのか? ――脳内で心視が笑顔で人形に抱き付く想像図がチラつく 「やってみる?」 なんとなく結論に達した僕が言った瞬間、心視の顔がパァッと輝いたが、すぐにはっきりとわかるほど顔が赤くしてうつ向いてしまった――羞恥心? 「……いい」 そして拒否の意だけ呟き、てくてく早足で歩き始めた 「ってどこ行くんだよ」 「……志度達のところ、場所は大体わかる……」 いつゲーセン遊び倒し隊(今、命名)の場所を把握したのかは知らないが、本人がそう言うのだからわかるのだろう。その後に続こうとして、目に付く 「……ふむ」 クレーンゲームなんて、何年ぶりだろうか?
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加