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『――フォトンダイト採石所でのテロ犠牲者は数十人に及び、政府はこれに対し自衛隊AMW部隊を派遣、武装集団を鎮圧しました。その際に――』
ここは沖縄のとある湿地帯に立地さているボロい陸上自衛隊基地の近場にある質素なキャンプ場
ラジオの音に合わさってどこからか聞こえるセミの鳴き声に車両と巨大な人型のエンジン音、更に暑さが混ざってうっとうしさを振り撒いている
『次はイギリスの経済破綻をきっかけに発生した軍部、政府間における武力衝突関に関する新しい情報について――』
そんなここ、沖縄名物"春なのに夏まっさかり"の悲惨な気温の中
「……うーん」
僕、比野三等陸士(今年15歳)は寝袋の中に逆さまで収まっていた。面白いくらいすっぽりと、それはもう漫画のように、現実は、小説よりも奇なり
「……」じたばた
どんな経緯でこうなったかはわからないが(多分寝返りか何かをした為)このままでは冗談抜きで窒息死してしまう。というか、現在進行形で死にそうである
そしてこんなくだらない死因で三途の川を渡る訳にもいかない――足で出口を探ってみるが、普通なら頭がある方向にある
その本来頭を出すべき穴がなかなか見つからない
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