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「なぁ……これなんてRPG?」
この美少年――本名、本人曰く晃と言うらしい――がだるそうに呟く、こいつは方向音痴らしい
「絶対にここの校長はドラクエ好きだろ……でなきゃ階段の位置をこんなランダムに設置しないだろ……なぁ白いの?」
「知らん……あと白いのじゃない。志度だ」
まぁ確かにダンジョンみたいな構造と言われたらそのゲームを知らなくても納得できるくらい凄い設計だけどさこの学校
と、今の今まで黙っていた心視が僕の征服の裾を引っ張る。どうした?
「ん……ひー、あそこに生徒っぽい人がい」「「なにっ!」」
まだ台詞の途中だった心視を吹っ飛んばして志度と晃がでしゃばってきた
壁に激突してヒクヒクしている金髪ツインテールを担ぎつつ前のほうを見る。なるほど確かに女子生徒が一人歩いているのが見える
「よしっ! 職員室の場所を聞こうか!」
「おーう!」
「……あのーすいません」
無駄にテンションが高い馬鹿に代わり僕が声をかける。だが一つ誤算があった
「…………」
振り向いた少女は僕の顔とその肩に担がれた金髪少女を交互に見、怪訝そうな顔をして言った
「……誘拐犯?」
思い切り誤解した。やーん
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