12人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように歩く通学路。そのなかに一際やる気のない少年がいた。
身長は180くらいで眼鏡をかけ気だるそうな顔をして登校していた。彼の名は「橘薫風(たちばなかおる)」公立横井高校の二年生だ。彼に趣味というものは読書くらいでそれ以外はなにもなくあえていうなら散歩くらいなもんだろうか。
そんな彼に潜む影が突然襲ってきた。
トントンと背中をつつかれ振り向くとムニッと頬がへこんだ。そこには小さい少女がいた。
「ちゃお。」
「「ちゃお」じゃない。朝っぱらから人で遊ぶな。」
「えぇ、つまんない」と頬を膨らませる少女。それからなにか思い付いたかのように「じゃあ」といきなり抱きついてきた。
「ばっ!」かと言う前に顔が赤くなってしまいなにも言えなくなってしまう。この少女は「河原真結美(かわはらまゆみ)」俺の幼なじみで一言で言うと明るくて天真爛漫そんなやつだ。明るいのはいいことなんだがこう無防備過ぎるのはどうかと思う。心配になって「こういうこと他の奴とかにやってないだろうな」と聞いた。そうすると
「あれ~?もしかして薫風くんは私のことが好きなのかなぁ。」なんて言ってきた。
「そんなんじゃねぇよ、ただ他の奴にやったりして問題を起こされるのが迷惑なだけだ。」
「またまたぁ、そんなこと言ってぇ。」
正直好意がないと言えば嘘になる。こんな明るくて突っ込みどころがたくさんあるやつとはいっしょにいて楽しい。
「でもこんなことをするのは薫風だけだよ。」
と上目遣いで言ってくる。前言撤回こいつは俺を困らせて楽しんでやがる。
最初のコメントを投稿しよう!