†第一章†手間の掛からない子供

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それは調度、「私」が小学校に上がる頃だ。 父が突然キレる様になった。 酒を呑んでキレて皿を割ったり、暴れる父。 それは幼い「私」にはあまりに突然で恐ろしい事に感じた。 次に、妹が生まれた辺りから、母も変わった。 事ある事に叱られ、時にはそこら辺にある物で、手当たり次第に殴られた。 母だけが悪かった訳ではない。 「私」は母に見つめて欲しかったのだ。 兄は勉強は抜群に出来る。 たまに良い点を取っても見向きもされない。 だから悪い事をする事でしか、幼い「私」には方法が浮かばなかったのだ。 「手間の掛からない」「悪くて罰しなければならない」子供。 それが「私」だった。 †††
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