第十章 手

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生き残っているプレイヤーは… 『原 渉』 『黒野 美紗』 『馬場 滝』 『霧坂 伶奈』 …そして… 葛切「渉君と滝君以外は、予想通りか…面白い」 葛切は、電子手帳のような物を開きながら、廊下を歩いていた。葛切は、教室の中に入った。教室の黒板には、パネルが備えつけられていた。 葛切「そろそろ、来る頃かな?」 タッタッタッタッ… 教室に向かって、誰かが走ってくる。 ガラ 教室の扉を開けたのは、渉だった。 渉「…く、葛切!!」 葛切「思ったより、早くついたね。このゲームに参加して、短期間でかなり鍛えられたようだね?」 葛切は、黒板の前にある教卓に腰をかけ長い足を組んだ。右手の中指で眼鏡を直す… 渉「そこをどけ!パネルを…」 葛切「大丈夫だよ。美紗ちゃんなら無事だ。焦る事はないよ。ゆっくり話そう…」 渉「あんたの言葉は信用できない…」 葛切「しかたがないなぁ…ふぅ~」 葛切は、面倒くさそうにポケットからリモコンのスイッチを取り出して押した。黒板には、美紗をおぶっている玲奈と、全身傷だらけで壁に身体を支えられながら、三階に進もうとしている滝が映し出された。滝の姿を見て、渉が動揺する。 渉「真理…まさか…」 葛切「彼女は、君が図書室に入ってすぐに絶命したよ。なんの台詞もない、質素な死に様だったよ。見るかい?」 渉は葛切を鋭く睨んだ。
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