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滝は、錠が使っていたナイフを数本もって現われた。ナイフを構えたまま、滝が渉に話かけた。
滝「あんたが、誰かの代わりかどうかは、知らないが…お姉ちゃんは、このゲームを通してあんたの事を本当に好きになったんだと思う。自分を心配して戻る途中で、怪我をしたあんたを見て。美紗を助ける為に、必死になってるあんたを見て…僕もあんたを信じてる。だから、あんな奴の戯言に動揺するな!自分の兄貴を信じる気持ちを疑うな!」
渉「なんか…おまえ、変わったな…」
滝「さて、こいつを片付けて脱出しよう」
葛切「落ちこぼれ二人が、ワシに勝てるつもりかぁ?馬鹿丸出しの友情劇に幕を引いてたるわ!」
またもや、口調の変わった葛切がスーツのポケットに手を入れた。
ドス!
滝の投げたナイフが葛切の胸あたりに突き刺さる。そのまま、教卓から後ろに倒れ落ちた。
ドサッ
滝「口ほどにもない奴だ…さて、と…」
滝は葛切に近づいていく。
渉「?何するんだ?」
滝は振り替えって言った。
滝「脱出の可能性があるのは、こいつの…」
ヌ~
教卓の影、葛切が倒れこんだあたりから、影のような黒い固まりが蠢いている。
渉「滝!!」
渉の声に反応して、滝が後ろに飛びのいた!滝がさっきまでいた場所に影のように黒い腕が伸び、床をえぐった。
ズズズズズ…
滝「なんだ?こいつは…黒タイツとは違う…」
葛切「やれやれ、もうコイツを出すハメになるとは…コイツは『ズー』。黒タイツを強化し、ワシを守るようになっとる」
胸に突き刺さったナイフを抜き取る葛切。どうやら、スーツの下に防弾チョッキのような物を着ているようだ。
ズー「クズキリサマ…ナンナリト、ゴメイレイヲ」
葛切「そのガキを足止めしろ。私はパネルを動かす。」
ズー「ハイ、カシコマリマシタ…」
ズーは滝に飛び掛かった。
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