第1章

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~プロローグ~ 舞台となるのは…『オーセリア』 昔、神々が住んでいたとされる大陸…。 大陸のあちこちで、神々の残した伝説が今も尚語り継がれている。 紀元前… まだこの大陸に神々がいた頃のこと… 「……我等の子よ…」 至福の時…。 これほど親にとって幸福な時があるだろうか…。 だが……。 「クリスタ…許してくれ」 「いいえ、貴方は正しい選択をしたのです…許すもなにも…」 クリスタはただ優しく微笑んでくれる。 「…ダルディア、お前を守ってくれる聖獣だよ」 しかし、ひどい話だな…。 たった一人ここで眠らされ、この子が目覚めた時には全てがなくなり、見たことのない世界に変わり…親のない子供になってしまうかもしれないなんて…。 「ダルディア、可愛い娘よ…どうか私たちを許してくれ、そしてお前だけは…」 お前だけはどうか生き延びてくれ。 私たちの分も… 「イリア!クリスタ!奴らがそこまで来ている!!」 「わかった!!急ごうクリスタ…この子はこの森が守ってくれる…」 望んで戦を始めたんじゃない。 それは分かっていた。 …だが。 それも終わりにしよう、私たちの代で…。 この子の生きる未来の為にも…。
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