タラ「母さん…人は何故生きるのです…」

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  中学生野球が終わり、僕達は受験戦争に巻き込まれていた。   波平「馬鹿者が!!」   カツオは良い大学、良い会社に入る為、頭の良い学校に行くよう父親から言われていた。   勿論野球は中学で辞め、学問に励む様、喝を入れられていた。   カツオ「でも父さん…僕は…」   波平「野球で食って行けるか馬鹿者。学生は勉強あるのみじゃ。けしからん」   カツオ「会社勤めばっかりの父さんには分からないよ!」   波平「コラッ!カツオ!」   そう言うとカツオは家を飛び出したが、行く場所など無く近所の公園にたどり着いた。   カツオ「クソッ!何で分かってくれないんだッ!」   「カツオ君」   そこに現れたのはマスオだった   カツオ「マスオ兄さん…」   マスオはカツオの横に座り語り始めた。   マスオ「僕もねー高校時代は野球をやっていたんだ」   カツオ「マスオ兄さんが!?」   マスオ「ハハッ、まあね。弱小高だったし上手くはなかったから万年ベンチだったよ」   カツオ「兄さん…」   マスオ「君の姉さんとは会社主催のソフトボール大会で知り合ったんだ」   カツオ「姉さんと?」   マスオ「あぁ。男顔負けの凄い球を投げる子でね、彼女を見て久しぶり熱い物が蘇って来たんだ。」   カツオ「それで姉さんと知り合ったの?」   マスオ「ハハハッ。それから君の姉さんに猛アタックしたよ。」   カツオ「詳しく教えてよ」   マスオ「ハハハッ、そこは大人の事情で話せないな」   カツオ「なんだよマスオ兄さん」   マスオ「でも、これだけは確かだよ。若い頃夢を見なかった人は大人になってから絶対に後悔する」   カツオ「マスオ兄さんも後悔してるの?」   マスオ「いいや、後悔した時期もあった。でも君の姉さんを見て気づいたんだ」   カツオ「何を?」   マスオ「好きな事を全力でやれた自分は幸せだったってね」   そしてカツオはマスオに連れられ家に帰って言った。    
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