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職員室を行く途中も不気味なくらいの静かさに、光輝達は冷や汗を流した。
只今の時効、午後19:03――。
光輝達は夏場だったことに感謝しながらも憎んだ。
龍「にしても暑い……。」
龍が静かに呟く。
『だな……。夏だから夜明るいのは感謝するけど。』
光輝はシャツの袖で汗を拭っていた。
雄「電気つけるとばれるからな……。」
光輝達はそう言いながら職員室へと歩いて言った。
職員室の見える距離で雄介は止まった。
壁に背を預けて頭だけを出す。
雄介から職員室は見えるが、職員室からは雄介は壁に邪魔されて見えることはない。
光輝が口を開く。
『雄介、どうだ……??』
雄介は少しだけ微笑みながら答えた。
雄「ビンゴ。誰かいるぜ……。」
その言葉に即、飛び付いた龍。
龍「マジかよ……。誰…??」
けれど雄介は
雄「わかんねぇ…。」
と首を左右に振った。
『じゃあ、行こうぜ……。』
光輝の言葉に雄介と龍は無言で頷き、職員室へと足を運んだ。
職員室前―――……。
雄介は近くまで来て、光輝達に指示を出した。
雄「ここからはしゃがめ……。光で俺達がばれちまう。」
龍「『わかった。』」
そう言って全員しゃがんだ。
雄介はそれを確認すると、静かに扉を少しだけ開けた。
片手にはナイフを力強く握りしめて……。
ゆっくりと中を覗く雄介。
次の瞬間、雄介は目を見開いた。
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