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雄「もう大丈夫だろう……。」
雄介は扉を開けて廊下を覗きながら言った。
龍「一旦、外に出ようぜ…。」
龍はそう言って、座り込んでしまっていた光輝を引っ張って教室を出た。
雄介が言う。
雄「一回、学校全体を見てくるか……。」
その言葉に反応したのは光輝だった。
『何でだよ……??』
雄介は光輝の言葉に返す。
雄「今、どれだけの人間が生きてるかわかんねぇー……。」
雄介は続ける。
雄「下手すれば自殺した奴もいるかも知れねぇー……。見てねぇーから何とも言えねぇーけどな…。」
雄介の言葉に龍は眉を寄せた。
龍「んなことしてどうすんだよ……。」
雄介は真剣な目で光輝達に言った。
雄「生き残ってる奴らで考えよう……。」
雄「ここからの脱出方法を…っ」
けれど、雄介の言葉に光輝は嘲笑った。
『はっ…。そんなの無理だぜ…??見ただろ…??さっきの光景を……。』
光輝の目にはもはや絶望だけが映っていた。
『全員死んで終わりだ……。』
光輝のその言葉に雄介は掴みかかった。
雄「光輝っ!!俺達は生きなきゃいけねぇーんだよっ!!こんなとこで負けるわけにはいかねぇーんだよっ!!」
光輝は雄介の言葉に顔を上げて掴み返した。
『だったらどうやって生き残るんだよ!!こんな状態なんだぞっ!!??そんなもん無理に決まってるんだろうがっ!!』
光輝と雄介が喧嘩を始めたが龍の言葉によって止まった。
龍「光輝も雄介も止めろよっ!!こんなとこで喧嘩したってどうにもなんねぇーだろっ!!」
その言葉に二人は放した。
龍の言った通り、ここで喧嘩をしていたって何か変わるわけではない。
雄「『っ………。』」
光輝が口を開いた。
『悪い……。お前のせいじゃねぇーのに……。』
雄「いや……。俺も悪かった。」
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