†―Prologue―†

4/4
前へ
/153ページ
次へ
男の言葉に他の人間が、がたがたと音をたてて立ち上がり、半分に折った紙をその箱に入れていった。 男は全員が紙を入れたのを確認すると、静かに口を開いた。 「それでは、結果は一週間後の17時。後ほど連絡をさせていただきます。」 男がそう言うのと同時に、他の人間は座っていた席から立ち上がり集会場を出ていった。 男は出て扉を見つめながら静かに呟いた。 「さあ、これからがとても楽しみだ――…。」 ただ怪しい笑みを浮かべて…。 「集計して私にその資料を送ってくれ。」 男は近くにいた秘書にそう言うと、秘書は 「かしこまりました。」 と頷き、箱を運んで集会場を出て行った。 男はその様子を黙って見つめ、自分も集会場を出た。 扉の閉まる音が、静かな集会場を大きく響かせて――……。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

633人が本棚に入れています
本棚に追加