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その男子生徒の顔を見た瞬間、光輝は目を見開いた。
そこにいたのは、光輝とよく悪さした木之下蓮(キノシタ レン)だったのだ。
言わば悪友だった。
光輝はすぐに蓮の元に駆け寄った。
『蓮っ!!!!』
雄介達も続く。
光輝は蓮を抱き起こした。
『蓮っ!!しっかりしろっ!!』
すると虚ろになっていた蓮の意識は光輝に向いた。
蓮「……っ……こ…うき……??」
光輝は頷くように必死に蓮に声をかけていた。
『ああっ!!蓮っ!!大丈夫かっ!!??』
けれど、蓮の様子は良くないとすぐに分かった。
蓮「ハッ…ハッ…こ…う…きっ…。」
荒い呼吸……。
途切れ途切れの声……。
蓮の様子は一目瞭然だった。
光輝は蓮の様子が変なので、蓮の体を見た。
『っ!!!!』
蓮の周りは血溜まりが出来ていた……。
光輝は目を見開いて、蓮の方へと目線を映した。
『れ……ん…』
呆然と呟く光輝。
その目には不安で揺れていた。
蓮は光輝の姿を見て苦笑いしていた。
蓮「ハハッ……殺ら…れち……まっ…たよ…。」
途切れ途切れに話す蓮。
『れ……ん…。』
蓮は微笑みながら光輝に伝えた。
蓮「こ……うき……はっ…生き…ろ…よっ……??」
そう言って、光輝の方にゆっくり倒れていった……。
光輝は蓮の言葉に涙を流しながら、蓮に触れた。
『蓮っ!!おい、蓮っ!!』
光輝は蓮を揺さぶるも蓮に反応はない。
そんな光輝を雄介が静かに触れた。
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