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主人公、橋本光輝(ハシモト コウキ)。
どこにでもいるようなごく普通の高校一年生の16歳。
蝉の鳴く暑い夏。
学生には休みという嬉しさと、補習や宿題という悲しい現実に見舞われる夏休み真っ只中だ。
自室で寝ていた光輝は、一階にいる母の叫び声によって目を覚ました。
「光輝ーっ!いつまで寝てるのーっ!?」
カーテンから漏れる熱い日差しが光輝を照らす。
眩しさに目を細めながら自分の携帯を開いた。
『う……ん…。今、何時…?』
時計を見ると午前12:00―…。
今日は親友であり、昔からの幼なじみでもある田中雄介(タナカ ユウスケ)と12:30から遊ぶ予定だった。
『12:30――…?……やべっ!寝過ぎたっ!』
徐々に覚醒する頭が、遅刻だと光輝に告げた。光輝は跳び起き、すぐさま着替えて部屋を飛び出した。
ダダダダダダッッッ
叫びながら階段をせわしなく駆け降りる光輝。
『ヤバイヤバイヤバイッ!!』
階段を下りた光輝は、真っ先に玄関に座って靴を履く。
それを見た母は光輝に声をかけた。
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