†一通の手紙†

2/9
前へ
/153ページ
次へ
主人公、橋本光輝(ハシモト コウキ)。 どこにでもいるようなごく普通の高校一年生の16歳。 蝉の鳴く暑い夏。 学生には休みという嬉しさと、補習や宿題という悲しい現実に見舞われる夏休み真っ只中だ。 自室で寝ていた光輝は、一階にいる母の叫び声によって目を覚ました。 「光輝ーっ!いつまで寝てるのーっ!?」 カーテンから漏れる熱い日差しが光輝を照らす。 眩しさに目を細めながら自分の携帯を開いた。 『う……ん…。今、何時…?』 時計を見ると午前12:00―…。 今日は親友であり、昔からの幼なじみでもある田中雄介(タナカ ユウスケ)と12:30から遊ぶ予定だった。 『12:30――…?……やべっ!寝過ぎたっ!』 徐々に覚醒する頭が、遅刻だと光輝に告げた。光輝は跳び起き、すぐさま着替えて部屋を飛び出した。 ダダダダダダッッッ 叫びながら階段をせわしなく駆け降りる光輝。 『ヤバイヤバイヤバイッ!!』 階段を下りた光輝は、真っ先に玄関に座って靴を履く。 それを見た母は光輝に声をかけた。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

633人が本棚に入れています
本棚に追加