語り部

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「この『人間の街』は安心、安息の街です この『街』の『人間』は『時計』と同義語なのです。 『時計の針』は昨日通った場所は 今日また同じ時刻に通ります 『人間の足』は昨日通った場所は 今日また同じ時刻に歩きます 『人間』は昨日のコピーで今日を生きるのです。 そこに感情はありません 『時計』と同じように 『人間』は何も見ず、何も感じず、何も思わない だから、心はいつも平穏です。 何にも怯えない。 生きる事も死ぬ事も」
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