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「亜希だってそれくらいわかるよ。あんな中身が腐った男、なかなかいないよ」 亜希は眞鍋さんのことになると人が変わったように毒を吐く。 あたしはそれをいつも笑いながら聞いている。 「なーんであんな男と栞が付き合ってたのかわかんない」 「あたしもわかんないや」 二人で笑いあった。 さっきまではあんなに気分が落ちていたのに不思議なものだ。 亜希といると明るい気持ちになれる。 「二年前も今も、亜希がいてくれて良かった。ありがとね」 そのあともビールを何本か空けて、あたし達は寝ることにした。 お酒のせいか、疲れのせいか、どちらかはわからないけどあたしはすぐ眠りに付くことができた。 それから土日はずっと亜希の部屋に引きこもっていた。 零とは連絡を取っていない。 そのまま月曜日、仕事の日を迎えた。 .
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