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朝からドキドキした。
会社までの道で零に会ったらどうしよう、と思っていた。
どうせ着いたら会うのに。
「おはよ」
肩をポンと叩かれた。
「上総…おはよ。先週はありがとう、零にすぐメールしてくれたんでしょ」
「早いほうがいいと思って。今日は零と一緒じゃないの?」
「あ…今あたし、友達のところにいるんだ。別れたわけじゃないんだけどね」
上総はそれ以上何も聞いてこなかった。
そこは大人だと思う。
オフィスに入り、今日の仕事の準備をしていると、司と章介が入って来た。
二人と挨拶を交わす。
零は遅いな…なんて思っていると、部長が入ってきた。
零抜きで朝礼が始まる。
「佐島君は今日から三日間休暇を取っているから、そこのところ、よろしく頼むよ。あと、僕も今日から一週間出張でいないから、なにかあったら携帯に連絡してほしい。それじゃぁ、今日も頼んだよ」
部長はそう言ってオフィスを出ていった。
あたしは席についたまま固まっていた。
「栞?」
そんなあたしに気付いたのか、上総が呼びかけて来た。
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