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あたしは真奈に今までの出来事を説明した。
「グスッ…」
「えっ…」
真奈はマスカラが滲むくらい号泣していた。
「何その男。許せない。真奈なら何十倍にして仕返しする」
なんだか本当に亜希みたいだと思った。
「まぁ、過ぎた話だし、あたし今十分幸せだからさ。でも、また会社で会ったりするのはちょっと嫌かな」
「そもそも、どういった関係で海外事業部と付き合いがあるわけ?」
あたしは固まった。
よく考えたら、なぜ眞鍋さんがうちの部にいたのかを零に聞いていなかった。
そんなあたしを呆れた目で真奈は見つめている。
「そこ肝心だから!」
「だよね…」
「あ、もしかしたら…」
真奈がなにか思い付いたようだ。
「去年の今時期に、経営企画をプレゼンする大会があったのよ。確か今年の長期海外出張は佐島さんだったよね?」
「二月のやつかな?」
「そうだわ。去年はそれ、柴田さんが行ってるの。で、その大会にも出たはずなの。だからきっと、その関係じゃないかな。真奈も詳しくはわからないけど」
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