13

5/11
前へ
/263ページ
次へ
「上総で5位なら俺はもっと下だろうなーって結構諦めてたんだけど、気が変わった。本気でやってやろうと思って」 零の目つきが変わった。 「その大会で、どうしても勝ちたい人が出来た」 「え?」 あたしがよくわからないという顔をしていると、零が笑い出した。 そんなに変な顔をしたつもりはなかったのに。 「わかんない?」 「…全然」 「眞鍋透も出るんだよ。その大会に」 「え…」 零がその名前を出すとは思っていなかったので、あたしは少し驚いた。 あと、眞鍋さんもその大会に出ることはもっと驚いた。 「俺のほうがデキるっての、見せ付けてやりたくて。って、ただの自己満だけどな」 そう言って零は笑った。 「…彼女としては嬉しいけどね」 あたしは小声でそう言った。 それを聞いて零はやる気を出したのか、よしっと気合いを入れてまたパソコンと向き合った。 .
/263ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32360人が本棚に入れています
本棚に追加