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終業時間になっても零はまだパソコンとお友達状態だ。 「栞、今日中には帰るから飯だけ作っといて」 「オッケ。それじゃ先帰る。あれ?上総も残るの?」 ふと見ると、上総のデスクの上は資料で溢れていた。 表紙から英語だから、なんて書いてあるかはわからない。 「零の手伝い。去年の参考にしたいって言うから」 「そっか。そしたら先に失礼しまーす」 少し前までだったら、たいていが家に持ち帰って仕事してたと思う。 でも今の時代はそういうわけにいかないから会社に残ってしなきゃいけない。 一緒に住んでるのに、残業で帰ってくるの遅いのは少し淋しいなと思った。 「でも…仕事持ち帰って来て構ってもらえないのも淋しいな…」 結局どっちもどっちだということに気付き、あたしは考えるのをやめた。 そんなことよりも、疲れて帰って来た零をどうやって癒すかということのほうが大事だ。 帰り道、あたしはマンションの近くにあるスーパーに寄り、大量に食材を買って部屋に帰った。 .
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