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「それなら心配することないか。良かった」
そう言ってあたしはまた料理に手を付けた。
「…純也とも話したことあるんだけどさ。栞と亜希ちゃんって、かなり仲いいよね」
「…普通の友達同士よりは、数倍仲いいかもね。お互い辛いときに支え合ってきたからかな。でも、零と純也だって仲いいじゃない。男同士ってそんなに頻繁に二人で会ったりするものだって思わなかったもん」
「そうかな。性格は全然違うけど、なんか妙に気が合うんだ」
あたし達はしばらく亜希と純也の話で盛り上がった。
ネタが尽きない二人だ。
デザートが出て来た頃、零が不意に別の話をした。
「あ、そのうち栞の親に会いたいんだけど」
「え?」
「まだ具体的な時期とか考えてないけど、結婚したいのは本当だし」
「あー…実はね」
あたしは勿体振るような話し方になってしまった。
「親、小さいときに死んじゃったからどっちもいないんだよね」
零を見ると、リアクションに困ったような反応をしていた。
最近はこうゆう顔ばかりさせている気がする。
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