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最高の誕生日が過ぎ、零はそれからより仕事に打ち込むようになった。
最初は少し淋しかったけど、すぐにそれも慣れた。
それよりも、零の体調管理をしっかりしようと思った。
そして迎えたプレゼン当日。
「頑張ってこい」
上総が激励する。
この二ヶ月、一緒に頑張って来たからいろいろと思い入れがあるんだろう。
「ありがとな。がんばってくるわ。あ、栞」
「ん?」
「ぶちのめして来るから」
そう言い残して零は部長とオフィスを出て行った。
零の最後の言葉に一人で笑いつつ、二人を見送った。
「年齢順で行ったら次俺だな…」
章介がボソッとつぶやいた。
「長期海外出張がいやなんだよねー。短期ならまだしも」
司が言った。
「去年上総はどこに行ったの?」
あたしは上総に聞いた。
「タイに二ヶ月。観光ならまだしも、仕事で二ヶ月は辛かったよ」
うんざりした顔を見ると、相当過酷だったのがよくわかった。
「タイ、フランス…次はどこだろうね」
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