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「連れてってくれるの?」
あたしのテンションは一気に上がった。
「いーなー。章介、あたしも連れてってよ」
「自分で行けよ。俺より稼いでんだろ」
またも小言を言い合う二人。
あたしと零は苦笑いした。
「零君?」
そんなとき、零が後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、女の人が立っていた。
さっきぶつかってしまった人だった。
「…いずみさん?」
「あたり!久しぶりね。元気にしてた?」
零の知り合いだったのか、零とその女性は仲良く話をしていた。
「彼女さん?」
その女性はあたしのほうを見て微笑んだ。
「あ、うん」
「神谷栞です」
「キレイな子ね。あたしは零君のお兄さんの大学時代の知り合いで…」
「いずみ、こんなところにいたのか」
そう言って近づいて来た人。
「透さん…」
それは眞鍋さんだった。
眞鍋さんもあたしを見て驚いてるようだった。
「あ、主人の眞鍋です。で、あたしが妻のいずみです」
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