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少し変な空気が流れた。
と言っても、いずみさんだけはそれに気付いていないが。
「いずみ、佐島君と知り合いだったのか?」
「うん。零君のお兄さんと大学の同期なの」
いずみさんが笑顔で答えた。
「そうか。あ、話の途中で悪いんだけど、あっちに紹介したい人を待たせているんだ」
「そう…そしたらまたね、零君、栞ちゃん」
そうして二人はあたし達の前からいなくなった。
「…」
「…」
お互いなんと言っていいかわからなくなり、軽く沈黙が流れる。
あたしがいずみさんのことを見たことがあるのは当たり前だった。
二年前、眞鍋さんとマンションから出て来たのがいずみさんだったからだ。
それにしても、零が眞鍋さんの奥さんと知り合いだったのには驚きだ。
零の様子からして、眞鍋さんと結婚したことは知らなかったのだろうけど。
そのあともなんだか微妙な雰囲気だったあたし達は、章介と葉月さんの居酒屋に行くという誘いを断って帰ることにした。
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